日本の昔と今とこれからをクラフトビールを通して再発見する「JAPANESE BEER ODYSSEY」。日本文化を縦横無尽に醸す旅の先でどんなクラフトビールと出会うのか…ここJBO GUIDEでは、オトモニオリジナル銘柄のテーマとなった文化をより深く掘り下げてご紹介していきたいと思います。
【チョベリグDDHヘイジーペールエール】ギャルファッションは変身ベルト!オトナになった今身につけたいギャルマインド
ついにJAPANESE BEER ODYSSEYも14弾!今回は平成ギャル文化をテーマにしたビールを造りました。その名も「チョベリグダブルドライホッピングヘイジペールエール」。
はい、どんな味わいか全くイメージつきませんね(笑)とにかくド派手で、ハッピー要素てんこ盛りで、チョベリグな味わいのビールに仕上がっています。
時はギャルブーム再来。平成レトロブームの影響により、ルーズソックスや厚底靴、おへその見えるちびTなど懐かしのアイテムたちを街中で見かけるようになりました。当時ギャルなら誰しも持っていたであろう伝説のギャルブランド「LOVE BOAT」の復活したに、ギャルメイク、ラインストーンデコにギャルピースの再流行……とにかくZ世代と呼ばれる若者の間で、平成のギャル文化に火がついているのです。
とにかく派手に、キラッキラに!平成のギャル文化
では1990年代のギャル文化には一体どんなものがあったのか。男性の方や当時のギャル文化をご存じない方もいると思うので、平成に女子高生真っ盛りだったわたしがざざっとご案内させていただきたいと思います!
ルーズソックス
ギャルと言えばの代名詞、ルーズソックス。とにかく当時は長ければ長いほどよいとされていました。80センチから200センチ程のものまであり、下の方はをだぼっとたるませるのがおしゃれ。みんなソックタッチ(液体靴下止め)を使って、理想の形を追求していました。
だぼっとした靴下はひとまとめに「ルーズソックス」と呼ばれていましたが、実は大きく分けて2つの派閥が存在。くしゅくしゅと皺をつくって履く派と、ゴム抜きダボっと派があり、しばしばどちらがかわいいか論争を繰り広げられていました。
わかりやすくいうと「キノコの山」と「タケノコの里」みたいなものですね。どっちもいいし、どっちも行き来しているはずなのに、なぜか時々派閥争いを起こす。そんな感じです。わたしはゴム抜きダボっと派。だぼだぼを手で伸ばしてさらにだぼだぼにして、引きずるギリギリで履いていました。いや、半分引きずっていました。今思えば、ギリギリでいつも生きていたい若者の心情を表したかのようなアイテムですね。ちなみにルーズソックスはまじでなかなか乾きません。
ギャル文字
流行りましたよね、ギャル文字。なんて書いてあるのか、パッと見では全く理解できない暗号文。一説によるとギャル文字は打つのにとても時間がかかるので「こんなにもあなたのことを想っているよ」という愛情が込められていたものだったとか……でもあれ、使いなれていない人にとってはただのイラつくなぞなぞだったと思います。
このギャル文字を作成、解読できる『ギャル文字一括変換装置』なるサイトがあるのですが、その開発者にお話をお伺いしたところ、当時ギャルだった人たちから「『ギャル文字一括変換装置』でギャル文字作っていました」という声がぽつりぽつり届くとのこと。
同じギャル同士でも翻訳ツールを使用し、コミュニケーションをとっていた可能性があるとは……同じ言語を使うもの同士での、異文化交流感がすごいですよね!
ちなみに今回のJBO GUIDE11月の予告版は『ギャル文字一括変換装置』を使い、ギャル文字で書かせていただきました。みなさんは読めましたでしょうか?わたしはなんと書いてあるか知っているにも関わらず、何度読んでも結局なぜか理解できなくて、脳がバグった不思議な感覚を味わえました。
ガラケーデコ
とにかく重くて、賑やかだったギャルの携帯。ストラップはジャラジャラで、アンテナは7色に光るものにチェンジ。そしてスワロフスキーのラインストーンなどでゴッテゴテにデコられていました。デコショップがたくさんあって、デコ職人なる人たちがいた当時。ガラケーの表も裏も、とにかく個性豊かに光り輝いていたのです。
そんなことを思い出し、ふと自分の手元を見ればなんだか無性に物足りなく見えるマイスマホ。そこで平成ギャルへのリスペクトとビールへの愛を込めて、スマホケースデコにチャレンジしてみることにしました。
材料はすべて百均で調達!いまの百均って本当になんでも売っているんですね。ラインストーンやキラキラしたシール、レザー調のスマホケースなど、とにかくたくさん買い漁ってきました。わたしはビールに心臓を捧げているので、まずはキラキラシールでビールを作っていきます。
ふむふむ。よき感じ。しかしギャルに重要な派手さが足りません。そこで作りながら飲んでいたY.MARKET BREWING「INABU FRESH HOP FARMHOUSE ALE」のラベルをビリビリ。切り取って貼り付けてみると、めちゃくちゃかわいくなりました。これはテンアゲ!下半分には同じ系統の色のBaird Brewing「ホップハボック インペリアルペールエール」を貼り付けていきます。
ギャルと言えば立体デコ。なので、お気に入りのビール王冠たちをレジンで貼り付けていきます。もったいなくて捨てられなかった王冠たちが大活躍。ブルワリーさんのロゴを見るだけでビールの味が蘇るので、これによって口の中が満たされ、常に幸せになるという永久機関が完成しました。
細かいパーツにもラインストーンを貼ったら……ギラギラぴかぴかどどーん!ビールギャルスマホケースの完成です!かわいい、かわいすぎる。
「わたしはビールを!愛しています!」というハッピーメッセージが伝わってくるスマホができました。
デコをしてみて気づいたのは、自分の所有物がド派手になることによる高揚感や幸福感、そしてそこを起点として、むくむくと湧き出てくる自信。かわいいを重ねていくことで、自分自身の防御力、ならびに戦闘力が軒並み上がったように感じたのです。かわいく光り輝くものを持っているわたしはかわいい!かわいいは正義!わたしは正義!
ギャルファッションとは、変身ベルトのようなものなのかもしれない
つい最近、長年の憧れだったという「ギャルメイク」を体験したしょこたん(中川翔子)が「ギャルになると明るくなれる!」とyoutubeで語っていました。
もうそれは本当にその通りで、キラキラした目立つアイテムを身に着けると、血液の中にまでそのキラキラが流れ込んでくるような気持ちになるのです。
ラメをたっぷりと使ったメイクやギラッギラにデコったガラケー、目が覚めるような色のエクステ……それらのアイテムはギャルに変身するための、そしてギャルマインドを装備するための魔法のツールなのです。男性にもイメージしやすいように言い換えるとするならば、ギャルファッションとはヒーローになるための変身ベルトのようなもの。かっこいい、なりたい自分になるためのブースターなのです。
JBO銘柄第14弾はギャルをテーマにしたビール「チョベリグダブルドライホッピングヘイジペールエール」
「周りに流されず、常にポジティブに自分を貫く」。そんなギャルマインドは、時間に追われ、周囲に気を使い、ストレスフルな社会で生きるわたしたちにこそ、必要なものなのかもしれません。
ということで!今回オトモニではギャルをテーマにした「チョベリグダブルドライホッピングヘイジペールエール」を醸造しました。当時のギャルをイメージしたラベルを眺めつつ、チョベリグな味わいでアゲアゲになっていただければ嬉しいです。
そして!皆さんのお手元にビールが到着後、インスタ、twitterにて「デコ1グランプリ」を開催します!同梱物のシールを使って、是非ラベルをデコデコしてみてくださいね。もちろん同梱シール以外を使っていただいても構いません。皆さんの個性あふれるデコを楽しみにしています。
年末に向け、これから忙しくなっていく方も多いとは思いますが……ギャルマインドを装備して、ド派手に乗り越えましょう!
文 : ルッぱらかなえ(小林加苗)